おはようございます。
わたしはミエルのサイトにTumbrというブログを使っています。
そのTumblrの公式ブログさんが、今回わたくしを紹介してくださいました。
http://nihongo.tumblr.com/post/85005874427/tumblr-46
偉そうな事を言ってたり、もしかしから勘違いの部分もあったり…で恥ずかしいのですが、どうぞご覧くださいませ。
Tumblrユーザーボイス: 福島県在住・野木ちさとさん (46歳)。
福島県いわき市で、産業カウンセラーとして個人カウンセリングを営んでいる野木さんは、もともとは西洋占星術家として活躍されており、地方紙やタウン誌などの星占いの執筆も行っています。ブログ、「カウンセリングサロン ミエル」では定期的に行っているアロマテラピーのイベント情報や、野木さんのカウンセリングについての考え方やその方法についてのコラムなどを書かれています。福島県という場所柄、東日本大震災や福島第一原子力発電所の問題などが原因で野木さんのサロンにいらっしゃる方も多いそうですが、カウンセリングそのものについて、どういった姿勢で人と向き合うことが大事なのか、また自分の心のケアの仕方など、今回伺ったお話はひとりの人間として生きる上で役に立ちそうなものがたくさんありました。ストレスの多い忙しい現代を生きる私たち、このインタビューを読んで少し心のケアについて考えてみませんか?
– 野木さんが産業カウンセラーになったきっかけは何ですか?
わたしは2003年から西洋占星術の鑑定をしています。占星術では星を読み、その星の配置は何度読んでも同じ。つまり、鑑定の結果は変わらないのです。ですがお客さまの中には同じ相談内容で、何度も何度もいらっしゃる方がいます。結果はわかっていても、心の苦しみは解消しないのです。わたしが何度も訪ねてくるお客さまにしてあげられることは、誰にも言えない胸の内を聞いてあげること。ところが、わたしがお客さまの心の内をじっと聴いていると、お客さまの表情がどんどん晴れていくのです。問題が解決するかしないかは関係なさそうです。「そっか、モヤモヤした気持ちは心のゴミ。ゴミがたまっているから、気持ちが重くて動けない。ゴミを上手に吐き出せば、自分で歩き出せるんだ!」そう気づいたわたしは、カウンセリングの必要性を感じ、産業カウンセラーの勉強をすることにしたのです。2009年は毎週水曜日、朝4時に起きて5時発の高速バスに乗り、東京の産業カウンセラー講座へ通いました。仕事と勉強の両立は正直、体力的には辛いものがありましたが、2010年、無事に資格を取得することができました。
– 野木さんが、カウンセリングをする上で1番気をつけていることは何ですか?
わたしが1番気をつけていることは、お客さまが自然に正直な気持ちを話せるような流れを作るということ。それは、お客さま自身が自分の感情をちゃんと感じて、自分でしっかり考える時間を、わたしが邪魔しないということに繋がるからです。常々思うのが、問題に直面したときに「ちゃんと悩む」時間こそが、人生でとても大切な時間なんだということ。悩んで悩んで悩んだ上に自分で出した答えに従って進んでいくのであれば、成功すれば自分の自信になり、失敗しても大きな学びになるからです。でも、誰かに答えを出してもらって進んでいくと、成功しても自信にはならない、失敗したら人のせいになり、成長や学びが少ないのです。
– お客様が自分自身で考え悩むことを邪魔しないように気をつけているということですが、実際に野木さんがカウンセリングでするのはどのようなことでしょうか?
わたしがカウンセリングですることは基本的には本当にただ「聴く」ことですが、受動的な「聞く」ではなく、アクティブリスニングの「聴く」姿勢でいます。どうして聴くかというと、お客さまが様々なことを話すことで、自分の感情や立ち場、状況についての気づきを促すため。そしてそのためには、お客さまの心の状態や様々な状況のタイミングに合わせて、その場で的確な質問もしていきます。つまり、基本は「聴く」と「質問をする」です。たったそれだけのことですが、心のゴミ出しにはとても効果的なのです。人はたとえ相手が身内や親友であっても、自分の話ばかり1時間近くもする、また、何度も繰り返し同じ話をするのは躊躇しますよね。それに、そういう近い関係であればあるほど、悩んでばかりいてはダメだとお説教されてしまうものですし、話題がどんどん逸れてしまうこともあります。わたしたちは、実は自分の話を十分に聞いてもらえない環境で日常生活を送っているのです。ですから、カウンセリングでは「話を聴く、そして、聴くために質問をする。でも、尋問にならないように、話の流れをせき止めない質問をする」このシンプルなことを大切にしています。
– 福島県という場所柄、震災や福島第一原発での問題による影響でカウンセリングに来る方は多いのでしょうか?
被災者や避難者のお客さまは、やはり多いですね。ご家族を津波で亡くされた方、家が全壊した方、原発で避難してきた方、お子さんの甲状腺の病気に不安を抱えている方、遅れる復興にいらだっている方など、様々な方がいます。震災当時はボランティアで聞いてくれる人がいましたし、みんながんばろうと思っていました。ですが、3年経っても先が見えない現実が襲ってくると、いつまでがんばればいいんだろうと不安がこみ上げてきます。でも、いつまでも不安ばかり言ってはいられないと押し殺している。そこで、人づてに紹介されてうちを訪ねてくるんです。うちに来るお客さまは、残念ながら減ってはいません。震災の記憶は消せませんが、お客さまひとりひとりの心が整理されていく日は来るのだと信じたい。そして、その日が来るまで、おひとりおひとりの言葉にちゃんと耳を傾けていきたいと思っています。
– 政府が、カウンセリングやセラピーなどの需要をもっと重要視して取り上げても良いのではないかと思うのですが、政府主体の活動はあるのですか?
もちろん政府でも動いていて、自治体単位でのメンタルヘルスの支援に取り組んでいます。例えば、福島県では「ふくしま心のケアセンター」が県内各地域にあり、被災者の相談を受けるなどしています。また、保健所でも相談は受け付けていますし、民生委員の方も相談に乗っています。そういった行政の窓口以外にも、民間の病院が講演会や勉強会を開いたり、NPOやボランティア団体も様々なプロジェクトやセミナーを開催するなどして心のケアをしています。
ですが、本当に支援が必要な人ほど相談に行かない傾向にある気がします。福島県の自殺者は増加傾向にあるのです。心のケアの取り組みや相談会にも参加者はある程度いるのですが、本当に心のケアを必要としている人たちは、多分「そういう場に行かない人たち」という印象です。例えば、自殺の多い年代の男性などは滅多に参加していない印象があります。差し伸べようとしている手が届いていないのが実情でしょう。こちらから1軒1軒訪ねて行って様子をうかがう必要がある、でも、被災者は各地へ散らばっていて、そこまでケアするには人手も時間も足りない…そういう実情になっていると思います。心のケア以外にも、農業・漁業の問題、生活や就業問題、子どもの被爆と健康問題など、問題はたくさんありますからね。全ての問題が複雑に絡み合っているので、全体的に問題が解決していくようにしていかなければいけないと思っています。
– 野木さんのようにカウンセリングをしていらっしゃる方の「心のゴミ」はどうされているのでしょうか? やはりどなたかに聞いていただいているのですか?
わたしも定期的にカウンセリングを受けています。信頼できる方に依頼して、「おかしいな?」と思ったら、じっくり自分と向き合う時間を取るようにしているんです。お客さまの話があまりにも壮絶な体験ですと、何ヶ月もそのイメージが消えないこともあります。ですから、自分の心のケアも大切にしていて、季節ごとに日常を離れリフレッシュ旅行などに行くことにしています。ですが、お客さまの笑顔が増えていく様子が見えると、自分のこと以上に嬉しくなりますし、人は誰でももう1度立ち上がれる、と勇気ももらえるんです。それがあるから続けているのだと思います。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
また、tumblrスタッフのK様、インタビュー&掲載ありがとうございました。