皆既月食を見よう!〜楽しむポイント〜

1月31日(水)、日本全国で月が欠けていく天文現象を見ることが出来ます。
「月食」と呼ばれるこの現象は、月が地球の影に入る事で起こります。
月の全体が地球の影に入る事を「皆既月食」、月の一部分のみが、地球の影に入る事を「部分月食」と言います。

今回は、月の全体が地球の影に入る「皆既月食」になります。

この現象は必ず満月の時に起こります。
満月が地球の影に入っていくにつれて、どんどんと欠けていき最終的には月全体が地球の影に隠されてしまいます。しかし、完全に消えて見えなくなってしまう訳ではありません。
赤い(赤褐色)月になるのです。

これは、地球の大気の中を通った光が屈折して月の表面を照らすために起こります。大気の中を通った太陽の光は、夕焼け空が赤くなるのと同じように赤い色だけ見えるようになります。その赤い色が大気を抜けて月の表面を照らすため、赤い月に見えるのです。

今回の記事では、月食をより楽しんでもらうためのポイントをまとめてご紹介します。

 

楽しむポイント① 月食の色は、地球の大気の状態によって変わる?!

皆既月食の赤い色は、太陽の光が地球の大気を通り抜けた時の色です。そのため、月がどの程度赤くなるのかは地球の大気の状態によって変わります。地球の大気にチリがたくさん含まれているなら、チリによってほとんどの光が削がれてしまい、ほんのわずかな光だけが月の表面を照らす事になります。そのため、この時の皆既月食は黒や灰色と言った、ほとんど見えない色になります。
反対に、地球の大気にチリが少ないなら、チリによって削がれる光が少なく、月の表面を照らす光が多いため、明るい赤やオレンジ色の皆既月食となります。
1月31日の皆既月食は何色に見えるのでしょうか?色に注目してみましょう。

 

楽しむポイント② 満月なのに星がたくさん見られる?!

普段の満月の時は、月がまぶしいほどに明るいため、星はよく見えません。しかし、皆既月食の時は、満月が本来の明るさを失い、暗い赤色となり眩ます。そのため、満月の時には見えなかった星たちが見えてくるのです。
赤い月を眺める傍ら、星にも目を向けてみましょう。普段の満月の日では絶対に見られない星たちに出会えます!

 

楽しむポイント③ 観察の仕方は人それぞれ?!

月食は、専門的な道具(望遠鏡や双眼鏡、日食グラスなど)がなくても見ることが出来る天文現象です。その意味で流星群などと共に最も気軽に楽しめる天文現象と言ってもいいでしょう。
一人で観察するのもいいですし、大勢でわいわい言いながら観察するのも楽しいですね。望遠鏡や双眼鏡で、月が欠けていく様子、皆既の様子を拡大してみるのもいいでしょう。写真に撮りたいと言う方もいると思います。
観察の仕方は人それぞれですので、ぜひ自分なりの方法で皆既月食を楽しんでみましょう。

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参考

月食とは

皆既月食(2018年1月31日)

皆既月食(2018年1月)

橋本靖之ふくしま浜通り天文科楽普及プロジェクト副代表

投稿者プロフィール

ふくしま浜通り天文科楽普及プロジェクト副代表
星空アンバサダー育成部部長&講師
夢のほしぞら配達 代表
 
小さい頃、山の上で見た星空に感動して天文学の道を目指す。
大学で天文学を専攻し、天文台関連施設やプラネタリウムでの専門職員を経験した後、独立。現在は、移動式プラネタリウムを運営する合同会社夢のほしぞら配達の代表として、福島県内外で活動中。

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